ピエールの心臓

フリーランスを目指す「20代×転勤族の妻×専業主婦」のブログ。転妻ライフ・文学・インテリアが中心。自称「健やかなスピリチュアル研究家」。

人畜無害な人間は、大量生産の白磁に似る

骨董をたのしむ (44) (別冊太陽) 白磁

 

やきもの鑑定入門』が面白い。

 

「黒釉」「唐三彩」「染付」「白磁」「色絵」など、やきものの特徴ごとに年代や窯による違いなどが事細かく記載されている。写真つきなのもありがたい。

 

今日は「白磁」をお勉強。

 

おなじ「白磁」は「白磁」でも、時代や窯によってまったく風貌が違うのは当然の事、釉薬の原料や燃料、焼成方法によっても色の出方が違ってくるというのが興味深い。

 

まるで人間の人生・・・

生まれた土地、親、兄弟、教育、友人関係、学問、社会生活その他もろもろの要因、それがまるでかけられた釉薬や焼き方の違いのように多種多様な人間模様が現れる。

 

 

そして白磁は、その白さを追求するためにもっとも大切なのは土の原料であった。

 

いかに天然の良土であっても、それをそのまま使うことはできない。

昔は、採って砕いた原土を、雨風に晒して乾燥させ、打って叩いて、何度もふるいにかける。そして、水につけて水簸を重ね、磨り潰して何年も寝かす。こうして、鉄分や石英などの悪い含有物を取り去り、きめを細かくして粒子を揃え、成形に必要な粘り気を得る。これだけの手間をかけて、原土はようやく素地土となる。

出川直樹監修『やきもの鑑定入門』新潮社p39

 

 

ここまでの手間をかけてようやく玉のような白いやきものができる。途方もなく長い道のりだ。

 

ただし現代では機械で原料が画一化されているのでこれほどの手間は必要ない。が、画一化された白磁はただのまっちろなだけのやきものになってしまう。そこで現代の作陶家たちは、わざわざ不純物をいれていまの白磁にぬくもりを出そうと試みているそうだ。

 

真っ白のやきものをもとめて精製を重ねた結果、精製が過ぎて今度は逆に不純物をいれるというのも歴史的に非常におもしろい。人間というのは本当に不思議にできている。

 

人間も清廉潔白、人畜無害がすぎたらば、すこしぐらい毒を盛りたくなる、そんな感覚に似ている。

 

 

 

♪今日の一冊♪

出川直樹監修『やきもの鑑定入門』

やきもの鑑定入門 (とんぼの本)

やきもの鑑定入門 (とんぼの本)

 

 

 

 

 

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